モロッコには国際アムネスティの調査によっても二百三十人の政治囚が獄につながれており、その他誘拐、殺害など政治謀略が頻発しています。
今日もなお問題となっているのは、六五年十月、革新運動の指導者ベン・バルカがパリで白昼誘拐されたことです。
彼はドゴールともさしの会談をやった第三世界の人士でもあり、国王にとっての政敵でした。
現在、バルカの息子がミッテラン政権にたいして事実の調査を要求しています。
彼は日本でも公開された南アフリカのアパルトヘイトを糾弾した映画「アモク」の監督です。
バルカを誘拐し、葬った首謀者で、国王の腹心といわれたドリミ将軍が八二年一月、国王との接見後帰宅途中、交通事故で死去しました。
これが国王の謀略であり、"知りすぎた人物"を暗殺したのだという記事を仏紙ルモンドのラバト特派員が書いたとたんに、当局は彼を何日も監禁し、尋問したあげく国外追放にしました。
国王の犯罪はタブー中のタブーなのです。